「スポーツと生きる」ハンドボール新井友彦さん③ ユーゴ内戦をかいくぐり平和を伝える
ユーゴスラビア内戦とスポーツというと私たちはサッカーのオシム監督を思い出します。しかしここにもハンドボールで内戦の足音を聞いた日本人選手がいたのです。
今から30年前、ハンドボールのメッカともいうべきザグレブのプロチームの入った一人の日本人、新井友彦さん。ザグレブに渡ったのが1990年、そして1991年5月ににユーゴスラビア内戦の足音を聞き、現地を後にします。ともに戦った選手たちにも戦禍は及びます。「スポーツに生きる」ハンドボール新井友彦さんの3回目、これが最終回になります。
社会主義国家ユーゴスラビアからクロアチアへ国が変わろうとする時に、現地でプロチームに参加していた新井友彦さんが見たもの、聞いたもの、その生々しい言葉は内戦の始まりの記憶でした。
ユーゴスラビアの内戦では民族浄化が叫ばれ、殺戮、強姦など人間としての尊厳などどこにもない悲惨な戦争の歴史となりました。平和な日本に住む私たちには遠い話として扱われがちですが、今回新井さんにお話を聞きながら改めてその凄惨さが理解できるような気がしました。
その経験から新井さんは何を感じ取ったのでしょうか。現在教員という職業について、改めて思う新井さんの思いなど、貴重なお話を伺うことができました。
平和でなくてはスポーツはできない・・・まさにそのことを実感させてくれる時間でした。
取材日2020年2月 取材・編集 宮嶋泰子一部を表示