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2022.02.06

カルティベータ設立2周年記念シンポジウム「中学部活動の地域移行をみんなで考えよう」その報告

その道のオーソリティー14人が登壇

14人、どの方のお話もずっと聞いていたいそんな気持ちにさせてくれる興味深いものでした。

中学部活動の地域移行をあなたはどう考えますか。

まずは考える基礎となる情報を様々な立場の方から聞いてみましょう。

こんなコンセプトで行ったシンポジウムは実に興味深いお話ばかりでした。

同時録画はこちらから。

そして、登壇してくださった方々のコメントはこちらからご覧いただけます。

登壇者がシンポジウムを通して感じられたこと。

*友添秀則氏 

(公財)日本学校体育研究連合会会長、元早稲田大学教授、文部科学省運動部活動の地域移行に関する検討会議座長

シンポジウムはとても楽しく刺激的な時間でした。各シンポジストのみなさんのお話をお伺いしながら、それぞれのお立場から日々、真摯に地域でのスポーツの推進にとり組んでおられるご様子に敬意を感じておりました。また、それぞれのお立場から、子ども達の運動部活動についても真剣にお考えになっておられることを、改めて感じる機会ともなりました。

登壇させて頂く前には、地域移行を前提にした私の発表内容にお叱りや反論が多く寄せられるのではないかとも考えましたが、まったくそのようなことがなく、みなさん、運動部活動の地域移行を前向きにとらえておられることに少し驚きました。シンポジウム全体を通して、今後一層進展する少子化や「学校の働き方改革」の中で、運動部活動の持続可能性を考えると、学校運動部活動改革は待ったなしという状況にあることをそれぞれのお立場や現場から感じ、これからのあり方についてお考えになられていることを知ることができる貴重な機会となりました。

運動部活動は子どもたちや保護者だけではなく、多くのステークホルダーがおり、これまで重要な役割を果たしてきた日本型スポーツ教育システムとしての運動部活動を大きく変えることになる改革を進めていくには、私の発表内容だけではなく、なお一層多くの課題があることをシンポジウムを通して改めて痛感致しました。同時に、今後の地域スポーツにとって地域運動部が大きな可能性を秘めていることも強く感じました。それだけに、今回のシンポジウムを通して「運動部活動の地域移行に関する検討会議」の責任の重さを一層感じる機会になりました。今後、新しい地域運動部活動に向けて、多様な議論と素晴らしい実践が生まれてくることを念じています。

*八木美保子氏

オランダ在住 4人の子どもの母 スピードスケート世界スプリント王者カイ・フェルバイの母親

日本の部活の現状、問題点、先行事例など、興味深く拝聴いたしました。
私がこのお話を頂いてまず思ったのは、日本の良い制度、伝統が無くなってしまう様で残念だな、と言うことです。

その上で今回のお話の中で心に残った言葉が、高岡先生がおっしゃった「部活動がセーフティーネット」ということと、
中尾さんがおっしゃっていた「親の負担を軽減して欲しいという要望がある」ということでした。

高岡先生がおっしゃっていたこと、全く同感で、日本の部活動は「教育を受ける権利」の延長だった様に思います。
ですからやり方次第で、この憲法に定められている理念の後退になってしまう恐れもあると感じました。
そして、その結果親の負担が増してしまう、と言う、中岡さんの取り組みと真逆の現象が起きてしまう部分も出て来そうな気がしています。

オランダで子育てをしていますと、如何にオランダ人の親の負担(貢献度)が大きいかを感じます。
小学校の先生はお昼休み中子供の面倒をみません。
昼休みは時間外。
ですから子供は家に帰って昼食をとります。
(先生の代わりにお世話してくれるお母さんにお金を払って、学校で手持ちのお弁当を食べさせる、というサービスもあるが)
学校への送り迎えを親がしなければならないので、子供が小学校低学年の時私は、家と学校の間を朝、昼、放課後と一日4往復していました。

オランダは塾通いなど、教育にかかる余計な経費がほぼない代わりに、スポーツや音楽などの習い事にお金がかかります。
我が家は息子3人がスピードスケートをしていたので、子供が運転免許を取るまで親がトレーニングの送り迎えをするのが当たり前の世界に長いことおりました。
週末行われる試合にも親が同行しますので、遠隔地の試合が早朝や深夜に及ぶ場合、長距離運転に自信のない私は、息子と共にホテルに宿泊することもしばしばでしたので、
冬場は本当に、親の負担が少ない日本の部活動が羨ましくて仕方ありませんでした。

でもそう言った活動を可能にしているのが、ワークシェアリングとダブルインカムだと私は思っています。
それに付け加えるとしたら、私の様なひとり親でも出来たのは、離婚後も父親と母親が親権を持つシステムのお陰、と言うことでしょうか。
もちろん同居する親の負担の方が大きいものの、もう一方の親もサポートしてくれるからこそオランダでは成り立っていることだと感じます。

ですので、急には変われないでしょうが、これは日本人のライフスタイルも変わるかもしれない壮大なプロジェクトの様に感じました。
学校の先生の働き方改革のみならず、日本人全体の「ワークライフバランス」の取り組みが進んで、
日本の部活の良いところを残しつつ、皆がwin-winのシステムになれば良いな、と今回皆さんのお話を伺いながら思っておりました。

*中尾聡氏 

岐阜県羽島市教育委員会

まず、カルティベータ2周年シンポジウム「中学部活動の地域移行についてみんなで考えよう」に参加させていただき、ありがとうございます。この地域部活動について、様々な立ち位置の方の見解・実践を知ることができたことを大変勉強になり、感謝です。有森さんからお話があった「融合」とはこの地域部活動はピッタリだなと思います。様々な関係団体がかかわり、協働していくことで子どもたちの笑顔がみることできるのではないかと思います。

*渡邊優子氏 

総合型地域スポーツクラブ希楽々(新潟県村上市)理事長

カルティベータ設立2周年記念シンポジウムに登壇させていただいて
まずは素晴らしい機会をいただきましてありがとうございます。
みんな、試行錯誤しながら精一杯頑張っていることを感じました。
どれも間違いではなく、どれも頑張っていることだと思います。
実践している立場として
会議にはよく「地域の実情に応じて」という表記が出てきます。
確かに、都会と地方、その中でも現状の違いがある中で当たり前のことだと思いますが。
「地域の実情」で投げられては困るのです。
国が、はっきり定めなければならないこと
それを受けて、県が方向性を出し
市町村が地域の実情に応じて方向性を出し
運営主体がその方向性に基づいて実働することが一番良いカタチだと思います。
しかし、先行する身として「待ってられない」というのが今の心境です。
国が「令和5年度から段階的に地域移行」をいつまでやるのか
「休日以外、つまり全面的に地域移行するのか」
「運営主体の条件、指導者の条件・・・」
最低の共通項をはっきり出すべきだと思います。
スポーツ庁の検討会議にでは前述を含む10項目について検討をしていて早く第一提言
を出すスケジュールで動いていますが、その内容についてできるだけ明確な内容となれば
よいと思っています。
これからも先行して走っていきます。
宜しくお願いします。

有森裕子氏

女子マラソンバルセロナ五輪銀メダル、アトランタ五輪銅メダル獲得 スペシャルオリンピックス理事長

カルティベータ、2周年おめでとうございます!

そして記念シンポジウムに参加させていただきありがとうございました。

何度もシンポジウムの中でも出てきましたが、「中学校の部活の地域移行について」と言うこれからのスポーツをつうじた子供たちの育成の流れに「黒船がやってきた」位の大きな波を作るであろう課題がまだまだ抱えるいろいろな角度からの難しさを、登壇された多くの方々のコメントから感じました。

私自身知れていない現場の現実や、すでに前向きに取り組まれていることがたくさん知れて、とても勉強になりました。

と同時に、この問題は既に移行時期が決まっているとは言え、本当に繊細かつ大切な問題であると思うので、どこかの大きな省庁だけが考え形組立てればいいというものではないような気がしました。

丁寧に、そして多少なりとも時間をかけて、もっともっとこのようなシンポジウム形で多くの方の意見が客観的にも時間的にも話が聞けることが大切なような気がします。

まさにその第一弾としてこのシンポジウムに参加でき、いろいろな情報を教えた事は本当に良かったと思ってます。

全ての人を「融合」させた上で、この流れが作られることを切に願う思いが強くなった、そんなシンポジウムでした。

ありがとうございました!

ぜひまたやってください!

*高岡敦史氏 

岡山大学准教授 「スポーツーまちづくり教科書」著者

今回ご紹介されたすべてのケースは,まさに先進事例であり,地域移行を上首尾に進めるためのモデルだと考えております.

しかし,一方で考えておかなければいけないのは「全国全ての中学校区やもう少し広いエリアで学校・地域の融合を実現するには?」という視点です.

スポーツ庁は「できるところから!」と言いますが,そういう取り組み方が許されるのは,「今すぐできないところを今後どうしていくか?」というロードマップが用意できるからです.

地域移行できる地域の子どもたちは幸せで,そうでないところは不幸せ,という不平等は生じさせてはいけない悲劇です.今後は,先進事例から押さえておくべきポイントを抽出し,地域移行が難しいと思われている地域の関係者(学校教員,地域スポーツ関係者,行政,地域関係者など)が集い,解決策を話し合う場の設定が必要だと思います.

*園山和夫氏

元文部省教科調査官・元横浜桐蔭大学教授等歴任

資料:運動部活動の「地域移行」と「部活動指導員」に関する文部科学省の動向

コメント1

 部活動は、卒業生に「学校時代の懐かしい思い出」として語られることが多いといえます。母校愛を育み、友情を育成し、上級生と下級生の人間関係を育成し、教師との信頼関係を深めるなど、地域スポーツ活動とは違った特徴をもつ部活動を、大人サイドの考えで、宮嶋さんがおっしゃったような黒船来航のような感じで大変革することに性急さ感じる人も多いかも知れません。

 部活動改革の一方の当事者である生徒の受け止め方などについて語ってもらう機会があってもいいかも知れませんね。

コメント2

 受益者負担のことも皆さんの話の中で随分と出てきました。日本では、学校で体育・スポーツが発展してきた経緯があるため、指導者や施設にお金を払う概念がまったくなく、空気や水と同じようにスポーツもタダという感覚が国民にしみ込んでいるように感じます。私が関係しているスポーツ団体は、年会費500円ですが、自分が払ったお金は自分にどのように返ってくるのか、というようなことを言われ驚くことがあります。会員は中高年が主でこれまでスポーツ組織に所属したことのない人が大半ですので、そのような感覚かも知れませんね。

 経済産業省の地域×スポーツ産業研究会が第1次提言を公表していますが、その中の「スポーツは、有資格者が有償で指導するという常識の確立」の文言に共感してしまいます。 

コメント3

 文部科学省などの動向表を作成しましたが、さらに加えてもいい内容がありました。その一つは、平成29年刊行の学習指導要領解説「保健体育編」に地域移行や部活動指 導員のことも記載されていますので、中学校の保健体育教員等が読む本書のことも触れた方がよかったと思いました。

もう一つは、令和元年12月の臨時国会で、教員の給与に関する法律の改正が行われましたが、その附帯決議には、部活動を早期に地域移行することを促す文言がみられます。友添先生や何人かの発言者が課題とされていた地域移行に伴う多額の予算は、今後の国会での予算審議において十分に措置して欲しいものです。

コメント4

 わずか5年ほど前ですが、日本部活動学会が設立(H29.8.6)されました。研究者による理論研究と教師による実践研究の両面から、多角的に部活動を研究することが設立の主旨のようです。今回、宮嶋さんが多様な分野のシンポジストを登壇させられたように、この学会も、研究者や学校関係者以外に、スポーツクラブ関係者、ジャーナリスト、音楽家、弁護士など多彩な顔ぶれです。

 3月12日に第5回大会が開催されますが、シンポジウムのテーマは「地域部活動の論点整理~部活動の地域移行の可能性と課題~」となっています。カルティベータの活動とも相まって、部活動の地域移行に示唆を与えるような議論が展開されることを期待したいと思います。

コメント5

 今回、有森さんからアスリートの立場から貴重な意見をいただきましたが、有森さんは先日のNHKのアナザーストーリーで、自分のスポーツ人生を振り返りながら、ゴールはスタートだ、ゴールした時に先のことも見えないといけないというようなことをおっしゃっていました。自分を誉めてあげたいという言葉と同じくらい、よい言葉に響いてきました。

 部活動の成果を競うスポーツ大会は数多ありますが、勝利(ゴール)の先にあるものを見出すことに繋がるような部活動であればまさに学校教育活動に相応しいと、教えられた気がします。

コメント6

 松田先生からは、高校生がいきなり自主的、自発的、自主的にスポーツクラブを運営することはできないので、それまでにその資質・能力を育成することが大切であるというお話がありました。その時、体育授業の大切さを諭されたような気がしました。

 平成元年の学習指導要領の改訂以来、生涯スポーツの基礎つくりを目指し、自主的自発的な学習を展開することでスポーツの楽しさを味わわせ、生涯を通じて豊かなスポーツライフを過ごすことのできる資質・能力を育てることが体育授業のねらいとされてきました。現在の学習指導要領で重視されているアクティブラーニングの先取りでもあったと思っています。多くの学校でこのねらいが達成できれば、松田先生が指摘された地域移行後のスポーツ活動の主役は生徒であるということが実現するのではないでしょうか。

コメント7

 地域移行の難しさの根源は、結局、社会における教育システムの在り方に帰結すると思います。

教育は、大きく、知育、徳育、体育に分けるのが一般的ですが、日本は外国と違い、知育(教科指導)、徳育(道徳)、体育(体育や運動部)のすべてを学校が担っています。外国では、知育は学校、徳育は家庭や教会、体育は地域と役割分担が分かれています。

 我国独特の教育システムの中での地域移行ですから、学校が所在する地域の実情が異なる9千校を超える中学校で円滑に展開されるまでにはそれなりの日時を要することと思います。今後、全都道府県で実践研究に取り組んでいる拠点校の研究成果が蓄積され、できるだけ早期の地域移行が実現することを願いたいと思います。

*森屋文乃氏 

横浜教職員連盟会長 元横浜市中学校英語科教員

今回の大きな収穫は学校の外側の動きが一定程度理解できたということです。

《素晴らしいと思ったこと》

JSPO(日本スポーツ協会)が資格制度も含め指導者養成の構想を持っていること

独立した地域スポーツ環境構築に意欲的な方が全国にいらっしゃることがわかったこと

《変化させるべきと思ったこと》

積極的に指導に当たりたい教員は10%、15%に過ぎ来なかったこと

学校部活動は本来の「社会教育」として日本社会に位置付けていきたい。

《加えて伝えたいこと》

労基法適用であれば、全国の教員に対する時間外手当は年間1兆円になる試算が出ており、病に倒れたり、過労死に至る現場があり、教育課題として学校に持ち込まれる事柄は増大こそすれ、減少することがありません。

それなりに部活動顧問をすることで生徒理解か進み、指導を楽しみにしている教員もいますが、年々「強制ボランティア」の色合いが濃くなってきているのも事実だと思います。

全国で地域スポーツクラブがたちあがっていてしっかりとした活動をしていることが分かりましたが、指導者の状況を知りたかったです。

年金を受け取っている退職者?

主たる収入は別にあって、指導者としての謝礼は副収入なのか?

生徒や家庭の負担額は話題になっていましたが、

一人の指導者として受け取る謝礼は月額いくらなのかを知りたいです。

◆「施設」「人」「資金」の問題を《融合》させる

学校五日制に移行するのに時間をかけましたが、部活動の地域移行も時間をかけて完成させていけると思いました。

1)学校教員の勤務時間外に施設管理させることを基本的に禁じる

  部活動開始時刻から終了までの時間帯には

  自治体は「社会教育」予算を取って施設管理員を配置する。

花内誠先生のお話を聞いていて、横浜市の出身の仙田満先生のことを思い出しました。仙田先生は都市計画の中に学校以外に社会教育、子供の遊び場を組み込む提案をされて来たと思います。

日本は戦後「学校教育」でカバーする範囲を広げ、プール設置、格技場設置などの施設続けており、その場で行われる「社会教育」はその場にいた教員が担い、災害時の避難施設としても学校が期待されています。

温水シャワーがないのは教育課程上必要と認められていないので、設置基準もなく、設置されていません。エアコンもしかりでした。

しかし、7月に熱中症で亡くなった児童が出れば、たちまち全国の教室にエアコンが設置されるわけですから、「社会教育」施設として地域スポーツの拠点として学校施設が認められれば、それに向けた設置基準が設けられ、シャワー室も、部室的な部屋も割り当てられるようになるのでしょう。

2)教員の長時間勤務に対応した時間外手当を労基法に基づいて支給すると

  年間全国の教員へ支払うべき金額は★1兆円程度という試算が出ています。 

  スポーツ庁が設置され、文化庁(吹奏楽部等に対応)とも共同で

  日々休憩は10分以下で11時間、12時間の勤務は労基法適用であれば、管理職が罰せられる状態です。長時間勤務の原因は部活動指導だけではないので、まず

  「社会教育」向けの予算としてまずスポーツ庁などへの予算を1兆円の半額程度加配する。

  令和4年度のスポーツ庁の概算要求では新設された予算や、倍増した予算が見受けられます。

  この方向性を強め、速め、 施設管理利用料と指導者への謝礼、活動に関わる一切の費用を賄える方向へ向かわせる。

3)指導者はボランティアではなく雇用する体制作り

  現在の教員の雇用は教員免許を持ったものが各自治体の教育委員会の採用試験を夏~秋にかけて受け、教員採用名簿登載となる。

  3月に配置校の校長面接をうけ採用される。

  転勤の場合も1月から2月ごろ、配置校の校長面接を受け転勤が決まる。

  その時に必ずと言っていいほど、地域&保護者の要請を受けている校長は部活顧問の話をせざるを得ない。

  まず、面接の際部活動指導の話題を禁止する体制作りを考えなければならない。

  10年20年前とは違い教員の勤務状況を校長がSABCで評価し、給料額や期末勤勉手当に影響するようになっていて、校長が「ボランティアをお願いしたい」と話題に上れは教員は否定的な対応ができ難い状況下にある。

  教員採用試験を行う教育委員会の役割をスポーツ庁やJSPO(日本スポーツ協会)が担えないか?

  指導者を希望する者はJSPOの資格試験をあらかじめ受けて、合格者の名前は

★地域ごとのJSPOが指導者名簿を持っている状態を作れないか?

  各校に配置を決める校長面接に当たる役割をどこが担うかいくつかの候補が考えられるが、学区の枠を超えるためには、現状では利用している施設は学校が圧倒的に多いと予想されるので、その利用している場所ごとに部活動に代わるスポーツ団体の 

★保護者会が地域JSPOに紹介依頼し面接をし、雇用する形式で対応できないか?

  自分が知る限り台湾やアメリカでは保護者会が有償で指導者を雇用している。

4)大会運営も教員が担ってきている

  大会の運営参加も現在の話では中体連(教員)に依存している。

一般スポーツ団体の受け入れを中体連(教員)に要請しているようだが、長時間勤務、無給ボランティア指導からの脱却の視点から見れば、教員ボランティアに頼った大会運営は禁止すべきだと思う。(自分は1500m自由形のターンの判定を行ったことがある。経験のない私が正確にできたかは不明。)

各競技団体は協会を作っており、中体連の競技会とは別に協会の大会を現在でも行っている。

仮に市町村大会を学校教育団体である中体連が主催運営するとしても、都道府県、関東、関西などの地域大会、’64東京五輪後に始まった全国大会(陸上では全国通信陸上がその前からあった?)は★各スポーツ協会運営で良いのではないか?

これらすべてを学校外に移行したとしても、10%、15%の指導を希望する教員が指導員だけに限らず、各スポーツ協会職員、地域JSPO職員などの活動を有償で行えるといった《兼業》を認める体制を組めば《融合》が可能になるのではないか。

明るい日本の未来を作り出す青少年のためのカルティベータの挑戦に期待しています。ありがとうございました。

*花岡伸和氏 

一般社団法人日本パラ陸上競技連盟副理事長

部活動の地域移行の現状について、また多彩な登壇者の皆さまから多角的な意見を伺えたことで自分としては非常に大きな学びをいただきました、まずはそちらにお礼申し上げます。

私からは障害当事者として、またパラアスリートとしての意見を申し上げましたが、インクルーシブ教育の促進についても、e-スポーツの導入についても、特定の個人や集団が良くなるだけでなく、ひとえに社会的健康度を向上させ、「活力ある社会づくり」へ向けてスポーツに何ができるのか?を皆で考えるきっかけの一つとして部活動の地域移行を捉えるべきだと強く感じました。

とは言え、ヒトモノカネの課題は本件のみでなくつきまとうものですが、学校というある意味閉鎖的な場所から地域に飛び出していく部活動を様々なジャンルの大人たちが受け止め、コミュニティーを再編して行くチャンスだと考えれば、国主導のまあまあ大きなナタが振るわれるわけですがそんなに恐れなくても大丈夫かもしれません。

これまでスポーツに縁のなかった業界、業種、業態、それらと繋がり、スポーツがより良い社会づくりに貢献し、何より全ての子どもたちがスポーツを通して幸せを感じられる環境づくりを目指してみんなで前向きに進めていければ良いなと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

小出利一氏 

NPO法人新町スポーツクラブ理事長

 カルティベーター設立2周年記念シンポジウムに登壇者としてお招きいただいたことを大変光栄に思い、また感謝いたします。

 宮嶋さんがニュースステーションで「スポーツ少年団とは」で新町SVCスポーツ少年団を取材していただいた時からのご縁で、今度は総合型クラブNPO法人新町スポーツクラブとして、学校部活動の休日地域部活動についてお話をさせていただく機会を頂きました。

 私は、主に私を育ててくれたスポーツ少年団の理念、理念から考える部活動の受け皿として考えていることをお話させていただきました。

 スポーツ少年団も総合型クラブも地域に根ざした活動が基礎であり、地域に愛され地域から必要とされる組織があるべき姿です。そのうえで、地域の宝となる地域の青少年達のスポーツ環境の大変革について責任を持って対応するべきことと考えています。

 今回のシンポジウムでは、様々なお立場のみなさんの様々なご意見を聞くことかできて、とてもありがたくとても良い学びになりました。

 このような機会を作っていただいた宮嶋さんに感謝いたします。

私は、来年50年が経過するスポーツ少年団の日独同時交流から発展させたニュルンベルク市スポーツクラブとの交流で学んだことを活かして、新町中学校と協働でスクールコミュティーとしての受け皿を大阪教育大学附属高校の松田先生とともに組織します。今後も皆さんからたくさん学ばせてください。ありがとうございました。

松田雅彦氏

大阪教育大学平野校舎教諭

シンポジウムでは大変楽しく有意義な時間を過ごさせていただきました。

 花内さんがお話ししされた「ソフトとハードが近くにあること」は、なるほどなと思いました。また、官民が別れた自治ではなく共同体としての自治が重要との指摘もその通りだと思います。

 さて、部活動の地域移行は日本におけるスポーツライフの大改革になるのですが、なかなか情報が外に出ていないので「ほんとにやるの?」「やれっこない、やれるものならやってみな。」というのが高校の先生方の感覚ではないでしょうか。まずは、各地域において地域部活動制度を導入することで何がどう変わるのかについて、ステークホルダーを集めて情報を共有することが大切だと考えます。そのときに必ず児童や生徒を交えて話をしてほしいと思います。

次に、地域部活動の受け皿組織に関しては「器」と「中身」を併せて整備しなければならないと思います。受け皿組織や施設・指導者・費用など「器」に関する話題は数多く取り上げられてますが、「中身」すなわち部活動の教育的意義についてはほとんど議論されていません。部活動で生徒が育つのは、文化項目(スポーツ種目や音楽等の各分野)の枠を超えてクラブとして組織を自治・自律するプロセスにあると考えます。「器」をそろえて「中身」なしにならないように気をつけなければなりません。

 また、高校では休日の部活動をしない先生も結構いますから部活動を地域に移行をしても、働き方改革として恩恵を受けない先生も結構いると思います。部活動をガンガンやっている(やらされている)ひとはホッとするかもしれませんが、ほとんど関わっていない先生は全く変わらないですね。

 本来、学校の働き方改革の本質的な問題は学習する(教える)内容が多すぎること(カリキュラムオーバーロード)にあります。来年度から高校では「日本史・世界史→歴史探究」となり日本史の先生と世界史の先生の区別がなくなります。また英語は「論理表現」、国語は「古典探究」「言語文化」というような科目が入ってきます。さらに「探究的な学習の時間」がのしかかります。これらはビルド&ビルドであり、それが先生も生徒も疲弊させている原因だと思います。

 最後になりますが、これまでほぼ無償だった部活動に幾ばくかの費用負担が必要になります。なるべく格差が広がらない工夫をたくさんつくって共有できるとありがたいです。

参加者の声

NPO法人萩原スポーツクラブ 細江隆司氏

総合型クラブのクラブマネジャーの観点で感想を書かせていただきます。  

高岡先生のお話は、共感すること満載でした。小出さんや松田先生のお話は、他でも何度か聴講させていただいており、いつもありがとうございます。学校や少年団を運営主体として地域移行を進める方法は良いと思います。参考にすべき地域はたくさんあると思います。  

総合型クラブ関係者ではない講演者のお話から感じたことは、総合型クラブの認知が進んでいないことや、存在は知っていてもクラブの理念・目的までは理解されていないことを感じました。総合型クラブ関係者は、自分も含め認知度向上に努力すべきです。  

森屋さんのお話では、知らなかった学校の内情を少し知ることができました。学校関係者には知っていて当たり前のことでも、それ以外の人は知らないことが多々あります。同様に、その逆もありで、総合型クラブのことは初歩的なことも知られていない現状を再認識し、総合型クラブ側で認知度向上を図る必要性を痛感しました。また、関係者相互の意思疎通を図ることが必要であると思いました。  

地域部活動推進は、総合型クラブの自立・育成に繋げられる事業と捉え、多くのクラブが積極的に関わるべきと思います。自クラブでは、総合型クラブが行う地域移行は、学校とクラブが協働で連携する形で進めています。部活動を支援することが目的では無くて、地域の子どもたちの育成や地域づくりが主目的であり、その中に地域部活動が含まれていると考えています。地域づくりに関しては多くの方が話題とされており、目指している方向は共通しているように思いました。  

総合型クラブは全国に約3600ありますが、その中で中学部活動と係るクラブは、3割以下のクラブなのではと思います。そして、それらの中で、大多数のクラブができることは、部活動のお手伝い(助成)までができる状況です。これでは、顧問の休日指導は無理で働き方改革にはなりません。  

自主運営を確立しているクラブでなければ協働連携はできません。地域部活動の受け皿(業務請負)となれるクラブもありますが、これはほんの一握りで、これは営利団体の参入のある形態と思います。総合型クラブの自立には、行政支援を必要としているクラブがたくさんあります。  

多くの総合型クラブは、「スポーツ振興基本計画」に示された内容を元に部活動と連携する活動を行なってきました。地域移行を具体策として掲げてはいませんが、同様の活動も企画し実施している事例はたくさんあります。進展していない事例の方がたくさんかと思いますが、地域部活動推進に役立つ情報は多々あり、これらにもう少し注目して、活用すべきと思っています。

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