
体育嫌い、スポーツ嫌い、でもリズムがあれば身体が動く。ダンスで健康に、賢く、自立する女性を目指す!

イントロダクション 主催者:(一社)カルティベータ代表理事宮嶋泰子から趣旨説明
最初に(一社)カルティベータ代表理事宮嶋泰子から、今回の勉強会の趣旨説明が行われた。「スキマダンスは脳にも効く」

今回は東京ウィメンズプラザ・ホールの椅子を半分ほど外して、動けるフロアーを作った。これにより、ダンスの教え方や楽しみ方を一緒に経験できるワークショップをすることが可能となった。大いなる実験だが、女性にとって運動することは自立への第一歩と考え、今回この勉強会を行うことを決断した。
- 女子中学生の運動不足問題:女子中学生の30.9%、つまり3人に1人は、1週間の総運動時間が60分未満である。
体育嫌いの理由には、他人の目を気にすること、運動能力へのコンプレックス、競争への抵抗感などがある。1週間の総運動時間が60分未満の割合が30.9%と、3人に一人が運動不足状態。 - 子供時代の運動不足がもたらす骨量への影響: 骨量は20歳前後でピークを迎える。子供時代の運動は、骨量のピークを高めるために不可欠である。 ピーク時の骨量を高く保つことで、加齢による骨量減少が骨粗しょう症のリスクゾーンに入るのを遅らせることができる。
- 子ども時代の運動不足と低出生体重児問題:産婦人科医の高尾美穂氏によると、子供時代の運動不足は、母親の「痩せ」につながる。筋肉量が少ない体で出産に臨むと、2500g未満の低出生体重児が生まれるリスクが高まる。この問題は本来、発展途上国で多く見られるが、日本では出産の一割がこれに該当するという深刻な状況にある。
- 日本人の座位時間の長さと健康リスク: 日本人は世界一座っている時間が長く、健康上の問題を引き起こすリスクがある。講演者自身もコロナ禍で座り続けた結果、大腿骨頭壊死と診断された。そこで、仕事や勉強で45分間座った後に15分間の簡単なリズム運動を取り入れることを推奨している。この運動は、脳のワーキングメモリーに働きかけ、前頭前野を活性化させる。これにより、脳が変化に対応する能力である神経可塑性が高まり、学習や問題解決の能力が向上する。このコンセプトを「スキマダンスは脳にも効く」というテーマで広めていきたいと考えている。
- 「スキマダンス」の提案:45分座ったら15分運動する:
- リズム運動が脳機能に与える好影響;• この運動は、脳のワーキングメモリーに働きかけ、前頭前野を活性化させる。これにより、脳が変化に対応する能力である神経可塑性が高まり、学習や問題解決の能力が向上する。このコンセプトを「スキマダンスは脳にも効く」というテーマで広めていきたいと考えている

パート1:筑波大学名誉教授:田中喜代次氏から「ダンスの効用」

ダンスやスポーツの継続が健康やウェルビーイングに与える多面的な有益性
様々なスポーツを経験、さらには研究している田中先生だが、「生まれ変わったらダンスをやりたい」と明言された。それほどダンスの魅力と効果はたくさんあるようだ。
ダンスやスポーツの継続は、身体的・精神的健康、社会的つながり、自己肯定感、ストレス軽減、認知症予防など多方面にわたる有益性をもたらす。特に高齢者においては、体力や活力年齢の若返り、老化抑制、サクセスフルエイジング(成功した老年期)に寄与する。:ダンスやスポーツを長期間継続することで、身体的な健康だけでなく、精神的な充実感や社会的なつながりも得られる。調査では、ダンスグループは一般グループよりも生活満足度や意欲が高いことが示された。運動の継続はセルフエスティーム(自尊感情)を高め、明日も続けたいという意欲につながる。これが体力保持や老化抑制、ウェルビーイングの実現に結びつく

運動の種類とエネルギー消費量の違い
運動の種類によってエネルギー消費量が異なり、ゆっくり歩行よりも急ぎ足や階段登り、ジョギング、ダンスの方がエネルギー消費が多い。阿波踊りとダンスは運動強度が似ている。
ダンスや運動の習慣化による心拍数の低下と心臓機能の向上
ダンスや運動を1年間習慣化すると、心拍数が下がり、1回の収縮で左心室から全身に送り出す血液量が増える。心臓のストレッチや収縮力が強くなり、同じ心拍数でもより強い運動ができるようになる。
乳酸と酸素摂取量の関係、ダンス実践者の持久力と乳酸発生の遅れ
運動強度が上がると乳酸が発生するが、ダンス実践者は一般人よりも乳酸の発生が遅く、持久力が高い。心筋梗塞経験者は運動開始後すぐに乳酸が増え、疲労しやすい。
筋肉のタイプとダンスの筋肉刺激効果
筋肉には遅筋線維(タイプ1)と速筋線維(タイプ2B)があり、ダンスはウォーキングよりも強い負荷で、タイプ2Bも刺激するため、バランスの取れた筋肉への刺激となる。ダンスは有酸素運動と無酸素運動の両方の要素を持ち、筋肉全体をバランスよく鍛えることができる。
20km歩行時の心拍数・遊離脂肪酸・血糖値の変化
20km歩行時、心拍数は130〜140まで上昇し、遊離脂肪酸濃度は1.5倍、2倍に上昇。脂肪が分解されてエネルギー源となる。食事を取って運動すれば血糖値は急激に下がらず、低血糖を起こさずに運動できる。もし食事を取らずに運動する場合、低血糖のリスクがあるため避けるべき。
ダンスの認知症予防効果
ダンスは知的活動・身体活動・社会交流の全要素を含み、振り付けや音楽に合わせた動きが認知機能を刺激するため、認知症予防に有益とされる。ダンスは多面的な刺激を脳に与えるため、認知症予防に効果的とされる。
ダンス継続者の動き・体力年齢・活力年齢の若さ
ダンスを平均30年継続している62歳の人は、動きが30歳若く、体力年齢は15歳若く、活力年齢は10歳若い。活力年齢は肺機能・血液・骨・体力などを総合した指標。
子供の肥満・メタボリックシンドロームと運動不足の関係
子供でも肥満やメタボリックシンドロームが増加しており、過食と運動不足、低フィットネスが主な要因とされる。
子供の健康維持にも運動習慣が重要である。
子供の運動能力の変化と健康指標
1985年と2004年のデータ比較により、現代の男児の50m走の記録が20年前の女児と同等であることが示され、運動習慣の有無が体力・運動能力に大きく影響している。運動している子供はHDLコレステロールが高め、血圧が低め、骨密度が高めである。特に運動していない子供は、過去の女児の体力レベルにまで男児が落ちているという報告がある。運動している子供は、善玉コレステロール(HDL)が高く、血圧が低く、骨密度も高い傾向がある。
- もし子供の運動能力が著しく低い場合、家族や周囲が一緒に運動することで改善を図る
コレステロール値と健康リスクの関係
コレステロール値は高すぎても低すぎても健康リスクがある。高齢者データや国際比較から、必ずしも高いコレステロール値が心筋梗塞や死亡率の増加に直結しないことが示されている。家族性高脂血症や心筋梗塞既往歴がある場合は管理が必要だが、その他の場合は経過観察で良い場合も多い。
- アメリカ男性はコレステロール値が低くても心筋梗塞が多い。日本女性はコレステロール値が高くても心筋梗塞が少ない。コレステロール値が高すぎても低すぎても死亡率が上がる高齢者ではコレステロール値が高い方が生存率が高い場合もある
- コレステロール値の基準値は議論があり、個人差が大きい
コレステロール値は単純に高い・低いで判断できず、個人の体質や既往歴、年齢などを考慮する必要がある。特に高齢者では、コレステロール値が高い方が生存率が高いというデータもある。家族性高脂血症や心筋梗塞既往歴がある場合は厳格な管理が必要だが、そうでない場合は経過観察で十分なことも多い。
ダンス・スポーツフィットネスの健康効果
ダンスやスポーツフィットネスは心身の健康保持に優れた効果があり、うつ、不眠、認知症のリスクも軽減される。運動を通じて人間力やコミュニケーション能力も向上する。
ダンスやスポーツを継続することで、身体的な健康だけでなく、精神的な健康や社会性の向上にも寄与する。特に認知症リスクの軽減や人間力の醸成が期待できる。
- 留意点
- 激しすぎる運動よりも継続的な運動習慣が重要
- 多くの国民にダンス・スポーツフィットネスの素晴らしさを伝えることが必要。
パート2:JUNKO☆実験道場から

ダンスを通じて自己表現や社会貢献、世界平和の実現を目指す重要性について語られました。講師の経験を交え、年齢や身体的特徴に関係なく誰でも挑戦できるダンスの魅力や、手洗いダンスによる衛生教育、課題解決のためのムーブなど、実践的な内容が紹介されました。
自己紹介と経歴(総フォロワー60万人、YouTube・TikTok、1000万人へのダンス指導、直接は15万人、モットーは簡単・楽しく踊ってもらうこと)
- ダンスの可能性を知り、体験することの重要性
- ウォーミングアップの実践(手を叩く)
- 参加型の雰囲気づくりと感想共有
- 「私には無理」が「できる」に変わる体験
- 今日の合言葉「レッツムーブ」
- 講義の流れ(自己紹介→思い込みの壁を壊す→ダンスは武器→3つの力→実践)
- 静岡県出身、明治大学ダンスサークル、遅咲きの経験
- ビジネス書を読み成り上がりダンサーに
- 父の死をきっかけに世界で活躍を志す
- 人生のキーワードはエンターテインメントと社会貢献。ダンサー、振付師、ユーチューバー、社会起業家として活動し、シルク・ドゥ・ソレイユ優賞も受賞
- 講師の3つの特徴はチャレンジャー、冒険家、アイディアマン
ダンスは単なる習い事ではなく、自己表現や社会貢献、世界平和の手段となり得る。誰でも「できる」に変わる体験を通じて、自己の可能性を広げることができる。
Junko自身の経験(遅咲き、ビジネス書を読む、世界での活動)を通じて、ダンスの持つ力や可能性を具体的に説明。参加者にも実際に手を叩くなどの体験を通じて、思い込みの壁を壊すことを促した。:カンボジアの小児病院で、現地の子どもたちと一緒に手洗いダンスを実施。女の子が講師のほっぺにキスしてくれるなど、現地の子どもたちと心を通わせた。 ダンスを通じて衛生教育と交流を実現。 現地の子どもたちに楽しさと学びを提供。ガーナ、ネパール、カンボジアで自立支援活動の一環として運動会を開催。ダンスを取り入れ、現地の子どもたちと一緒に楽しんだ。。 ダンスを通じて国際交流と自立支援を実現。ドバイで盆踊りを開催し、世界中の人々が一つになる平和の輪をダンスで表現した。 ダンスが国境を越えて人々をつなぐ力を持つことを体現
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• 参加者の不安や思い込み(リズム感、体の硬さ、年齢、難しそう)を丁寧に解消する
• 誰でもできる簡単な動作から始めることで参加のハードルを下げる
• 参加型の雰囲気づくりを意識する
• もし参加者が年齢や身体的特徴で不安を感じている場合は、「年齢も捨てました。私、宇宙祭です。」のように、年齢や身体的特徴にとらわれない考え方を提案する。
• もしリズム感がないと感じている場合は、心臓のビートを意識させてリズム感が誰にでもあることを伝える。
ダンスの持つ3つの力
ダンスには『自信』『冒険』『感動』という3つの力がある。自信は基礎練習の積み重ねによる達成感や強さ、経験値の獲得から生まれる。冒険は新しい景色や出会い、異文化体験(例:ガーナの運動会)を通じて得られる。感動は人を助けたり、つながったり、喜ばせたりすることで生まれる。
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手洗いダンスと世界の子どもたちの命
世界で5歳になる前に亡くなる子どもは年間480万人。その多くは予防可能な病気が原因であり、石鹸を使った正しい手洗いの普及によって100万人の命が守れる。手洗いダンスは、正しい手洗いを楽しく簡単に覚えられる方法として、カンボジアの小児病院などで実践されている。
2018年、カンボジアの小児病院で国際医療NGOジャパンハート様とコラボし、手洗いダンスをカンボジアのウドンで開催。現地の子どもたちと一緒に手洗いダンスを実施し、練習なしでもすぐにできるダンスで、正しい手洗いの動作を楽しく身につけた。
現地の子どもたちと一緒にダンスを踊る。 正しい手洗いの動作を体で覚える
o 普及活動を通じて命を守る啓発を行う
• 留意点
• 正しい手洗いの方法を毎日実践すること
• 楽しく簡単に覚えられる工夫をする
• 子どもたちにも分かりやすく伝える
• 特別な状況
• もし手洗いの習慣がない地域で普及活動を行う場合、どうすればよいか?→ダンスや遊びを取り入れて楽しく伝える
課題解決のためのムーブ(動き)
世界を変えるとは課題を解決することである。課題解決のためのムーブ(動き)は9個のステップで構成されており、日常の課題(例:満員電車、米不足、害虫駆除など)をダンスの動きで表現しながら、楽しく解決していく。
もし参加者が動きについていけない場合、どうすればよいか?→無理せず見ながら真似するだけでもOKと伝える。
Junko☆のリードで会場の全員が手洗いダンスとスリラーに挑戦



パート3:日本女子体育大学宮本乙女教授による「学校でのダンス授業」
中学校学習指導要領に基づくダンス教育の実践事例を中心に、創作ダンス、フォークダンス、現代的なリズムのダンスの3種目を取り入れた授業設計や、短時間授業での課題解決型学習、動きと気持ちの連続性『ひと流れ』の概念の重要性、さらには新聞紙を活用した自由な表現法について概説している。宮本乙女先生は、長年学校教育に携わり、幼小中高大学の先生方とダンス教育について実践的に研究してきた経験から、ダンスの価値と効果的な指導法を提案している。



- 中学校学習指導要領で求められる、感情を込めて踊る楽しさや喜び、そして創作ダンス、フォークダンス、現代的なリズムのダンスの3種目の重要性。
- 課題解決型学習を取り入れ、1時間〜6時間という短時間の授業でダンスの喜びと技能を体験させる授業設計。
- 実践例として、2月に公立中学校の1年生と2年生で行われた創作ダンス、現代的なリズムのダンス、新聞紙授業、じゃんけんダンスの取り組み。
- 体を動かすことが得意でない子どもたちにも、技能の習得のみを最終目的とせず、各自のできる動きで工夫し、オリジナルな表現が生まれる体験を通じてダンスの楽しさを感じさせる配慮と工夫。
- 「ひと流れ」のコンセプト:ダンスは単に動きを連結させるだけでなく、気持ちと動きが連続して連結していることが重要である。
- リハーサルと段階的な発表:生徒が安心して発表できるよう、少人数での見せ合いから始めるなど、ハードルを下げて実践しながら練習を重ねる。
- 具体的な褒め言葉によるフィードバックを通じて、生徒の表現力を向上させ、自己肯定感を育むこと。
公立中学校の先生と協力し、2月に創作ダンスの授業を6時間で実施。生徒は最初から作る、踊る、見るというプロセスを体験し、最終的に小さな発表会を実施。教師が『教師になってちょっと逃げていたダンスの授業に初挑戦』だったと報告している。
o 生徒が自ら考え、踊ることでダンスの楽しさと体育の良さを実感した。
o 教える敷居を低く設定し、子どもたちの自主性を促した結果、教師自身も楽しさを感じた。
2月に女性教師が5時間で実施した授業で、課題解決型学習を取り入れ、生徒たちがグループで意見を出し合いながらオリジナルのダンスを作り上げた。最初は恥ずかしさや不安があったが、最終的に全員が大いに楽しむ結果となった。
o 課題を出す形式により、教師が全てを教えなくても生徒同士の協働が促進された。
o 教師も自ら全てを教えず、生徒自身の発見から学ばせる工夫がなされている。
中学校一年生の新聞紙授業では、各生徒が1枚の新聞紙を持ち、折りたたみながら決められた大きさの新聞紙を作成。その後、新聞紙を使って様々な動きを実践。全員が笑顔になり、新聞紙の持つ楽しさを実感した。
o 学生が自分の新聞紙の『顔』を覚え、グループでじゃんけんを通してダンスを組み立てる活動を行った。
o 協働やコミュニケーションを通じて、楽しみながら身体を動かすことを学んだ。
• 留意点
• 技能の習得のみを重視せず、生徒がすぐに音楽に乗れたり、オリジナルな表現が生まれたりするようなダンスの楽しさを体験させることが重要。
• 生徒の個々の能力に合わせた指導法の柔軟な対応が必要であり、「正解はたくさんある」という考え方を共有する。
• 1時間、5時間、6時間など授業時間の違いに応じた授業設計が求められる。
• 特別な状況
• 体を動かすのが苦手な生徒がいる場合、正解をひとつに集中させず、それぞれの工夫を尊重する指導を行う。
• 狭いスペースでのアクティビティの際は、ぶつからないよう十分な注意を促し、安全を確保する。 - ひと流れの概念と連続性の重要性
ダンスの動きを単に切れ目なく連結させるだけではなく、気持ちや体全体の動きが連動して流れを作ることの重要性が強調されている。実際に『ぐるぐる』『ふわー』『ぐちゃストーン』などの具体的な動きを例示して、連続性と心の一体感を全体の動作に反映させることが求められている。これは、ダンスが単なる身体運動ではなく、内面的な表現であることを示唆している。
留意点
• 動作と気持ちの連続性が保たれているかを確認し、生徒が内面的なつながりを意識できるよう促すこと。
• 具体的な動きの例と連続性が参加者に浸透するように指導し、抽象的な概念を具体的な体験に結びつける。
• 動きが断絶してしまった場合、各自が自分の内側の感情に立ち返り再連結する方法を探るよう促す。
• 表現に恥ずかしさがある生徒に対しては、少人数のリハーサルや、近くのペアとの見せ合いなど、安心感を作る環境を提供し、徐々に表現のハードルを下げる。
新聞紙を活用したダンス表現の拡張
新聞紙という身近な道具を利用して、従来のダンス表現を超える創造的な動きを引き出す試み。新聞紙を持つ方法や、持たない場合でも体でその役割を果たすなど、多様なアプローチを通じて自由な表現が促されている。これは、道具が表現の可能性を広げるだけでなく、身体そのものが表現の源泉であることを再認識させる。
新聞紙を使ってダンスに新しい要素を取り入れるよう指導し、必ずしも新聞紙がなくても体だけで表現も可能であると説明した。ペアで話し合い、どのように新聞紙を使うか(1人が持つ、両方で持つ、または使用しない)の決定を促し、各自の創造性を引き出す方法を提示した。このアプローチは、生徒が自らの身体と創造性を最大限に活用することを奨励する。 - 模擬授業で示された指導のポイント
• 新聞紙を用いたペアでのじゃんけんダンス活動を通じて、生徒が主体的に動きを創造し、他者と共有することでダンスの楽しさを体験させる。この活動は、協働学習と競争の要素を組み合わせることで、生徒の積極的な参加を促す。
• 『ひと流れ』の概念を実践するため、各ペアが発見した動きの中から気に入った4つを選び、それらを連続させて一つのダンスとして構成する活動を行う。これにより、動きと気持ちの連続性を意識した表現力を養う。
• 発表に際しては、音楽が始まったらすぐに動き出すリハーサルを行い、本番前に通し練習を行うことで、生徒が自信を持って発表できるようにする。
• 発表の順番やペアの組み合わせはじゃんけんなどで決定し、発表後には互いに具体的な褒め言葉を伝え合うことで、表現の向上と肯定的な学習体験を促す。
• 生徒が動きの連続性と気持ちのつながりを意識できるよう指導し、特に表現に対する恥ずかしさを軽減するために、ハードルを下げた段階的な発表形式(例:近くのペアとの見せ合い)を採用する。


パート4:日本女子体育大学准教授岩淵多喜子先生指導のコンテンポラリーダンス

コンテンポラリーダンス作品「C1 Valuations from eight sequences」の紹介と、その背景にある日本的な身体感覚、そしてコンテンポラリーダンスの多様な可能性と生涯にわたる楽しみ方について。
コンテンポラリーダンス作品「C1 Valuations from eight sequences。
フランスの国際ダンスプログラム「キャンピング」への参加と、そこでのワークショップ展開。日本女子体育大学の岩渕多希子先生と学内選抜を経た8名の学生によるコンテンポラリーダンス作品。
フランスのプログラムで「日本的なもの」を求められたことがきっかけで、忍者をテーマにしたワークショップ(呼吸法、歩行、重心の感覚、クーパー認知)の内容を作品に持ち込んだもの。
作品の構成:8名のダンサーが示す8つのシークエンスによる「テーマとバリエーション」。
コンテンポラリーダンスの時代による変化と、その社会・価値観の反映。
ビートではなく、体の内側に流れる生体リズムに基づいたダンス表現。
ダンスは競い合いのものではなく、それぞれの体と感覚で一生涯楽しめる活動。
要点
日本的な身体感覚や視点(呼吸、間、気配、静と動)が取り入れられている。
この日本的要素は、
カウントや音のきっかけではなく、周りを意識する「今」という感覚で動きが揃えられる。これは渋谷の交差点で人々が同時に歩き出すような、誰もが持つ生体リズムを利用している。
説明
8名のダンサーが冒頭で示す8つのシークエンス(一連の動き)を組み合わせやバリエーションで作品化したもの。特定のストーリーや物語はなく、自由な感覚で鑑賞することが意図されている。ビートに乗るダンスとは異なり、呼吸や生体的なリズムといった体の内側に流れるリズムを扱っている。
コンテンポラリーダンスの性質:「現代のダンス」を意味し、現在進行形で変化し続けている。
スポーツのように速さや高さを競う競い合いのものではない。
それぞれの体、感覚、求めるもので行うことができるため、一生涯を通じて楽しめる。













締めの挨拶 主催者(一社)カルティベータ代表理事宮嶋泰子から
今回は身体活動としてダンスを取り上げました。それは諸先生の言葉の中にもありましたが、競技スポーツのような競争というものではないので、体育嫌い、スポーツ嫌いの人でも行うことができ、楽しみをそこから感じることができると思うのです。
私たちはこの勉強会を通じて、一人でも多くの女性が、自立心を持ち、健康な体で社会の中でより良いウェルビーイングな生き方をしてほしいと願っています。それが究極の男女共同参画につながると思っているからです。
次回は2月11日の水曜日、祝日なのでお誘いあわせの上お越しください。目からうろこがしっかり落ちるプログラムをご用意してお待ちしております。

おまけ マスターズ体操女子日本代表選手の演技を紹介
この日の参加者に6月1日にドイツのライプツィヒで行われたマスターズ体操の女子選手たちがいたので、パート3とパート4の間で、彼女たちの床の演技をVTRで紹介した。


総合司会は山口容子さんでした。
今回のこの報告ページはAIのまとめ機能を利用し、それに加筆をいたしました。


この事業は公益財団法人JKAの公益補助事業として行われました。